酒場遺産
ディープジャパン。今や都市開発の中で消えようとしている古くから続く酒場。日本の生活文化が凝縮されている酒場を「酒場遺産」と名づけた。これから十年後、ここで紹介する酒場のうちいくつが残っているだろうか。
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十一屋(墨田三丁目の古酒場)
ディープ度***、食と酒****
鐘ヶ淵から東向島方向へ商店街を五分ほど歩くと、右手に「十一屋」の看板が見える。古いが掃除のよく行き届いた酒場だ。食事はどれも旨いが、「煮こごり」はちょうど良い柔らかさで口の中でシュルリと溶ける。ビンビ-ル大530円、酎ハイ250円、レモンハイ250円、生グレ-プハイ350円、ウイハイ330円、酒290円。水曜定休。営業は17時~24時。東武鐘ヶ淵5分、東京都墨田区墨田3-23-17。

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栄や(鐘ヶ淵のディープな名店)
ディープ度*****、食と酒****
鐘ヶ淵。駅から歩いて約3分。「モツ焼き」「煮込み」という油紙が引き戸に張ってある。中にはいると、建設労働者風のお客がワイワイと楽しそうに呑んでいた。みな近所に住んでいるという。女将は今年70歳。42歳の時に始めたこの酒場も今年で28年目だという。お世辞にも綺麗とは言えない酒場だが、焼き鳥、モツ焼きを食し驚いた。特に焼き鳥、皮焼きは、恐らく都内でもベストの味だろう。酒の味が利いているタレ。目刺しも旨い。隠れた名店といって良いかもしれない。常連たちと話をしているうちに仲良くなり、バナナを土産にいただき店を出た。

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はりや(鐘ヶ淵古酒場)
ディープ度****、食と酒***
湾曲した隅田川が400mで荒川に近接する異形の地形。この2つの川に挟まれた墨田5丁目。鐘ヶ淵から堀切への一帯。東武伊勢崎線の鐘ヶ淵で降りる。「酒場はりや」の看板が白く光る。曇りガラスの引き戸を引くと、実にシンプルなつくりで、右手にL字型のカウンター席。左手は小上がりで小さなテーブルが2つ置いてある。昭和6年開業。カウンターの中には、知的な風貌の白髪のマスターが静かに座る。天井は高い。
ビ-ル500円、酎ハイ250円、ウィスキ-ハイ270円、ジンハイ270円。特にジンハイは旨い。キャベツの炒め物330円は、実は焼きそばだ。「煮こごり」は若干堅めだが旨い。「ねぎま煮」も葱とマグロとのあんかけ。日曜定休。開店は5時30分から12時。鐘ヶ淵駅北口から右手に曲がり歩いて2分。

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銚子屋(小岩住宅街 無名の名店)
ディープ度***、食と酒****
JR新小岩駅と京成小岩駅のちょうど中間の住宅街。住宅ばかりの場所に、赤提灯がポツンと光る。店は小さく客もあまり来ないようだ。銚子出身の老夫婦がやっている店で既に50年近いという。
私たちの他は、初めは2時間、誰も入ってこず、最後に二人の女性が入ってきたのみ。しかし、丁寧に料理された独創的な料理だった。「銚子の海草」は海草を刻み観点で固めたもの。「天麩羅盛り合わせ」はワカサギ、海老、穴子など様々な小魚を揚げたもの。その他、「カレイの煮付け」、「牡蠣のから揚げ」、「富貴豆」、「焼きそば」。どれも絶品だった。どれも400円から600円と安い。飲み物もホッピー330円、チューハイ250円と安い。古い8トラックのカセットで昔の流行歌を掛ける。タイムスリップしたような想いになる。この店では時間が止まっている。この老夫婦もそうだろう。
年中無休で、朝7時から夜の10時まで営業している。「最近はほとんど若い人は来ない。朝から失業した人が来るくらいかな。」と全く欲がない様子。コストを切りつめて細々と長く店をやっている。店の中には年代物デコラ張りのテ-ブル、8トラのカラオケセット。チューハイは、親爺がバーテンダーのように中ジョッキ-に炭酸をまるごと一本ドバドバといれ、自家調合の焼酎を注ぎ込む。分量は量ったようにぴったりとジョッキ一杯になった。

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遠州屋(小石川の絶品肉じゃが)
ディープ度**、食と酒****
旧小石川区の初音町・柳町・八千代町あたりは、昔ながらの街並みが残る。近くには小石川植物園がある。都心に奇跡的に残された原生林のような園内には、美しい近代建築が建つ。文京区らしいこの地区に「遠州屋」はある。散歩のついでにぶらり寄ったが、肉じゃがをつまみにしてチューハイを飲む。実に幸福な休日の昼下がりだった。名物は、焼き鳥、豆腐入りのもつ煮、谷中しょうがなど。価格はあくまでリーズナブル。東京都文京区小石川1丁目9-6。

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かく山 (八丁堀の隠れ家)
ディープ度****、食と酒*****
隠れた名店である。この店の持つオーラ、と料理の旨さは特筆すべきだ。八丁堀のオフィスが並ぶ通りから一本脇道の逸れた路地に面しているので、初めて訪れる人にはわかりにくい。根強いファンが多いらしく、近所の大会社の社長も時々きているらしい。
1年前に友人に紹介されて「かく山」を訪れてから、度々この店に通っている。1階はカウンターと4人掛けのテーブルで10人も入れば一杯になってしまう。カウンターの中には、3姉妹が忙しく働く。2階は住宅の部屋のような座敷で、子供の描いた絵などが掛けてある至って気楽な畳敷きの和室。4人以上で来るならば、この2階の部屋で、ゆっくりと過ごすのがお薦めだ。酒はビール、日本酒、焼酎(芋と麦)とも品数は少ないが、無難なものを置いてある。料理は素晴らしい。海鮮類は新鮮で、カットが大きい。やわらかさつま揚げはオリジナルな一品。焼きそばも独自の味付けが絶妙。メニューには値段が記されていないが、心配は無用。かなり食べて呑んでもひとり5000円を超えることはない。混雑する店ではないが、席が少ないので予約したほう方がよい。03-3551-8398。八丁堀2-18あたり。
関連情報 http://quittan.hp.infoseek.co.jp/yoi/maru/maru.html


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上の鳥のいわさき(上野の創業57年酒場)
ディープ度**、食と酒**
上野南口の丸井裏のネオンと喧噪に満ちた通り。釜山の市場を思わせるようなアジアの空気が流れている。上野周辺は意外に古い酒場は少ないが、「上の鳥のいわさき」は創業1949年の老舗だ。店内は古い酒場の雰囲気はなく、若者で溢れる良心的で気軽な居酒屋といった感じだ。創業以来の変わらない特製つくねが自慢だという。モットーは、冷凍素材には頼らない、テーブルチャージはとらない、無駄なところにはお金は使わない、という3ナイを守っているという。年中無休。東京都台東区上野6-13-7。03-3831-3401。

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body> このごろ酒場や居酒屋の本が充実してきました。私は太田和彦氏、吉田類氏、大川渉氏の本を愛読しています。中でも大川渉氏らの著した「下町酒場巡礼」は名著。紹介されている酒場の幾つかはこの10年間に姿を消しました。 https://www.fis.jfma.or.jp/fis/front/htm/research/scm10/image/scm10_2003wwp_dallas_illust.pdf