酒場遺産
ディープジャパン。今や都市開発の中で消えようとしている古くから続く酒場。日本の生活文化が凝縮されている酒場を「酒場遺産」と名づけた。これから十年後、ここで紹介する酒場のうちいくつが残っているだろうか。
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たぬき (浅草元祖牛筋煮込酒場)
ディープ度**、食と酒***
浅草ロック近くの通称「煮込通り」。休日ともなれば店から溢れ出た客が、店それぞれの嗜好を凝らした煮込を肴に、路上のテーブルで旨そうにホッピーやビールを飲む。ここは台北かバンコクか。東京がアジアだったことを思い出させる。
今日は煮込通りの北側に位置する、元祖牛煮込・牛飯「たぬき」を訪れた。中央の大きな厨房の周りをぐるりとカウンター席が囲む。30人くらいは座れるだろうか。季節の良いときは引き戸を開け放し気持ちよい。開放的な空間が魅力的だ。牛筋煮込みは道路に面した大きな釜でグツグツと煮込まれている。汁の少ない蒟蒻と牛筋の堅さが丁度良い歯ごたえだ。飲み物は生ビール大740円・中580円、ホッピー480円、ジンジャサワー420円、ウーロンハイ420円など。牛筋煮込み480円、銀杏、軟骨、筍、お浸しなどは420円。休日の日の高いうちからカウンター席に座りたい。楽しさ満載だ。近所には浅草観音温泉や蛇骨湯といった関東ローム層独特の黒湯の温泉もある。煮込みを食し温泉に立ち寄るのも楽しい休日の過ごし方だ。
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色香美味 (三ノ輪1丁目酒場)
ディープ度***、食と酒***
三ノ輪1丁目。昭和通と国際通りがぶつかる交差点から、東へ入ったところに、低い軒に藍色の暖簾が掛かる。その風情が良い。店の上部に無粋な「色香美味」の看板が光るのが残念だが・・。暖簾をくぐると右手にカウンター、奥にテーブル席がある。カウンターにはこの店の主人が立つ。この主人、昭和28年に三ノ輪で「坂本タクシー」という会社を興し5年間事業を行ったが、その後、三ノ輪1丁目交差点の角地(三ノ輪1-1-1)に「坂本バー」を開いた。その後まもなく現在の場所に移り居酒屋をはじめたのが35年前と言う。
これといって特徴のない店だが、カウンターに座り、目の前の手づくりの惣菜をつまみにして焼酎を飲んでいると居心地がよい。柳葉魚315円、以下丸焼き504円など、消費税込みという「キリの悪い」値札が並んでいるのが印象的。三ノ輪の名店「亀島」からもほど近い。03-3875-1298、東京都台東区三ノ輪1-21-8
色香美味(しきこうみみ)とは法華経の一節。「此大良薬。色香美味。皆悉具足。汝等可服。速除苦悩。無復衆患。其諸子中。不失心者。見此良薬。色香倶好。即便服之。病尽除愈。(この良薬は色も香りも味わいもよい薬で、飲むと速やかに苦しみから解放される。全ての人々の病を取り除く)」
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大勝 (浅草牛筋煮込通り)
★ディープ度**、食と酒の満足度***
田原町から国際通りを北に歩き、浅草ロック方面に入り少し歩くと、道の両側に屋台のように開放的な居酒屋が並ぶ通りがある。冬の夕方にこの通りを歩くと、ビニルで仕切られた酒場から湯気と煙が濛々と立ち上がり、店内から零れる電球の灯が暖かい。その一軒に入った。牛筋煮込みとホルモンの旨い店だった。牛筋煮込600円、牛煮込500円、豚足450円、肉じゃが650円、銀たら800円、辣韮400円、明太子800円。

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松風(浅草 凛と美しく呑む)
★ディープ度***、食と酒の満足度****
黒い板張りと白い漆喰の外観。小さな引き戸を開けると、白木の大きいテーブルと右手には赤銅色の湯煎。シンプルで美しい空間。ひとりで杯を傾けている客も多い。渋い大人にための店だ。壁には「お酒は一人三本(三合)まで」とある。出される肴はどれも量は少ないが、旨くて見た目も美しい。
瓶ビール500円。酒は、菊姫・浦霞・真澄・三千盛・田酒・清泉・大七・越の影虎・賀茂鶴・菊正宗などの玄人好みのラインナップ。甘いから辛いまで順に並んでいる。一合注文する毎に違う種類のアテが付く。650円から680円と少々高めだが、酒を呷るような店でもない。おでん(蒟蒻と練物の二串、350円)酔うわけでもないし、腹が一杯になるわけでもないが、凛とした気持ちになる店。浅草に着いたら、まず訪れたい店。どこかの料理屋へ繰り出す前の、ウェイティングバーとして考えてもよいだろう。

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ときわ食堂(町屋の下町元気酒場)
都電荒川線に大塚から三ノ輪方面に乗り、下町の住宅街の曲がりくねった線路を走る。荒川線沿いののどかな風景の中でひときわ大きいビルが建ち並ぶ町屋は、それでも近代的な都市景観を呈しているのは、京成線と千代田線と荒川線が交差している駅付近だけで、ちょっとはずれると下町らしい街が拡がっている。効果の京成線の架構の下には、不法占拠地のように住宅やら居酒屋などがぎっしりと建ち並んでいる。その架構の裏側には、銭湯やら連れ込み宿などが建ち、その幅一mにも満たない路地は香港の旧市街を思わせる。路地に切り取られた細長い空の向こうには、町屋のピカピカの高層ビルが建つ。その対比が、却って日常の東京とかけ離れて感じられ、ますますこの街への興味が深くなる。(志)
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テーマ:居酒屋 - ジャンル:グルメ

body> このごろ酒場や居酒屋の本が充実してきました。私は太田和彦氏、吉田類氏、大川渉氏の本を愛読しています。中でも大川渉氏らの著した「下町酒場巡礼」は名著。紹介されている酒場の幾つかはこの10年間に姿を消しました。 https://www.fis.jfma.or.jp/fis/front/htm/research/scm10/image/scm10_2003wwp_dallas_illust.pdf