酒場遺産
ディープジャパン。今や都市開発の中で消えようとしている古くから続く酒場。日本の生活文化が凝縮されている酒場を「酒場遺産」と名づけた。これから十年後、ここで紹介する酒場のうちいくつが残っているだろうか。
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ことぶき(鐘ヶ淵西町買い物商店街)
ディープ度***、食と酒***
東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅から、西町買い物商店街を東向島(旧玉ノ井)へ向かって歩き約500メートル、道が二筋に別れるすぐ右手に「ことぶき」の白く光る看板が目立つ。韮玉、ピータン、メンマ、サラミ、煮豆腐など、200~400円くらいのメニューが並ぶ。ホルモン焼き、牛すじがこの店の自慢だという。03-3610-2202。墨田区墨田3丁目15-12。
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十一屋(墨田三丁目の古酒場)
ディープ度***、食と酒****
鐘ヶ淵から東向島方向へ商店街を五分ほど歩くと、右手に「十一屋」の看板が見える。古いが掃除のよく行き届いた酒場だ。食事はどれも旨いが、「煮こごり」はちょうど良い柔らかさで口の中でシュルリと溶ける。ビンビ-ル大530円、酎ハイ250円、レモンハイ250円、生グレ-プハイ350円、ウイハイ330円、酒290円。水曜定休。営業は17時~24時。東武鐘ヶ淵5分、東京都墨田区墨田3-23-17。

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栄や(鐘ヶ淵のディープな名店)
ディープ度*****、食と酒****
鐘ヶ淵。駅から歩いて約3分。「モツ焼き」「煮込み」という油紙が引き戸に張ってある。中にはいると、建設労働者風のお客がワイワイと楽しそうに呑んでいた。みな近所に住んでいるという。女将は今年70歳。42歳の時に始めたこの酒場も今年で28年目だという。お世辞にも綺麗とは言えない酒場だが、焼き鳥、モツ焼きを食し驚いた。特に焼き鳥、皮焼きは、恐らく都内でもベストの味だろう。酒の味が利いているタレ。目刺しも旨い。隠れた名店といって良いかもしれない。常連たちと話をしているうちに仲良くなり、バナナを土産にいただき店を出た。

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はりや(鐘ヶ淵古酒場)
ディープ度****、食と酒***
湾曲した隅田川が400mで荒川に近接する異形の地形。この2つの川に挟まれた墨田5丁目。鐘ヶ淵から堀切への一帯。東武伊勢崎線の鐘ヶ淵で降りる。「酒場はりや」の看板が白く光る。曇りガラスの引き戸を引くと、実にシンプルなつくりで、右手にL字型のカウンター席。左手は小上がりで小さなテーブルが2つ置いてある。昭和6年開業。カウンターの中には、知的な風貌の白髪のマスターが静かに座る。天井は高い。
ビ-ル500円、酎ハイ250円、ウィスキ-ハイ270円、ジンハイ270円。特にジンハイは旨い。キャベツの炒め物330円は、実は焼きそばだ。「煮こごり」は若干堅めだが旨い。「ねぎま煮」も葱とマグロとのあんかけ。日曜定休。開店は5時30分から12時。鐘ヶ淵駅北口から右手に曲がり歩いて2分。

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とん平 (本所吾妻橋のもつ焼き)
ディープ度**、食と酒***
浅草からアサヒビールのきんとん運を見上げ吾妻橋を渡り、清澄通りを本所吾妻橋付近まで歩き、通りから一本南へ入った住宅街の一角に、もつやき「とん平」がある。小さな提灯がたくさんぶら下がったバラック風の平屋だ。中にはいると、左手の畳敷きの座敷に座卓が並び、近所の親爺たちや家族連れやが賑やかにモツ焼きを食べ、ホッピーを呑んでいた。このいい気の集会所といった雰囲気だ。焼き物はどれも旨い。手羽先の唐揚げもかなり旨い。偶然、隣合わせた新富町で鰻卵焼きを売っているという初老の男と話が盛り上がり、鰻卵焼きの「お土産」までいただいた。こんな親しく暖かな空気がこの店には満ちている。焼き物(とり、はつ、シイタケ、レバーなど)2本で260円。手羽先唐揚げ520円。豚足550円。酒はビール570円、ホッピー・黒ホッピーとも400円、酎ハイ類380円。墨田区東駒形3丁目。
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三祐酒場(舟曳元祖酎ハイ酒場)
ディープ度**、食と酒***
舟曳川通りから京成線の踏切をわたると、昔懐かしい町並みが広がる。「キムラヤ」の看板。小さな和菓子店。入母屋の立派な構えの銭湯「曳舟湯」もすぐ近くだ。この店は小綺麗でオヤジ酒場といった感じではない。年輩の女性3人が手際よく料理をつくる。店は新しいが、創業75年の老舗だ。元祖酎ハイの店でもある。この元祖酎ハイは「姉妹品」という柑橘系の入った酸味の強い酎ハイとともに、メニューの中でも特別扱いだ。味はアッサリとして呑みやすい。この日、生昆布煮付け350円、海苔の三杯酢300円、馬刺550円を頼むが、どれも品よく、旨かった。

酒は、前述の元祖酎ハイ300円、その姉妹品350円。生ビ-ル中480円、瓶ビ-ル大500円、真澄550円、栄川500円など。食事は、馬刺550円、貝柱刺身400円、赤イカ刺身550円、アサリバタ-550円、鱈白子450円、おしんこ250円、煮込み380円、枝豆500円、鰺酢400円、生姜350円、ジャガバタ-350円、串カツ450円、手羽唐揚げ400円、さんま塩焼き450円、馬刺550円、貝柱刺身400円 赤イカ刺身550円 アサリバタ-550円 鱈白子450円など。お通し50円。日祝日、第3土曜定休。17時~23時営業。

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赤坂酒場(舟曳駅前やきとん酒場)
ディープ度***、食と酒***
舟曳は、浅草から来る東武伊勢崎線と東武亀戸線がぶつかり、半蔵門線が乗り入れ大手町まで15分程度、近くには形成押上線も走り交通至便な場所にあるが、下町の風情を残す不思議な町である。駅付近は計画性なく開発されたビルの隙間に駅舎や自転車置き場、パチンコ屋などが無秩序に詰め込まれ、また鉄道の高架がクロスする不快な空間だ。交通の便の良さに目を付けたのか、駅前ではこの町に似つかわしくない巨大なタワーマンションが計画中である。そんなマシンエイジの名残のようなジャイガンティックな構築物の隙間に、優しい下町の生活が息づいている。何台も続いたような和菓子屋、魅力的な酒場、格式ある銭湯も多く見られる。

赤坂酒場は、舟曳駅のほど近い舟曳川通りに面して立つ。「赤坂酒場」という堂々とした看板。左手はテーブル席、右手はしっかりとした使い込んだ木製のカウンター。訪れたときには、若い定員がてきぱきと注文をこなしていた。この日、友人とふたりで軽くやきとん、煮こごり、豆腐入り煮込みを食した。それも意外とアッサリ系だが、ミノは形も味も良く旨かった。赤坂地ビールは特にこの店とは関係ないと言うが、しっかりとした味でなかなか良い。カウンターの上には、池波正太郎の小説の一節、福沢諭吉を題材にした小説などが飾られている。

酒は、ビ-ル大500円、赤坂地ビ-ル550円、酎ハイ300円、八重寿秋田(正一合)300円、菊姫にごり550円、伊佐美600円、魔王600円。食事は、牛ハツ刺し350円、牛レバ刺し350円、ハチノス刺し500円、牛カルビ大串390円、牛タン塩290円、牛ハラミ大串250円、やきとん1本100円程度(ミノ、ハツ、カシラなど)、トン足450円、牛ミノ炒め450円、牛ハツ長ネギ炒め500円、水ギョウザ280円、豆腐入り煮込み350円、おしんこ350円、塩ラッキョ280円など。(消費税別)日祝日定休。17時~23時営業。

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岩金酒場(東向島二丁目 曇硝子のオーラ)
ディープ度****、食と酒***
舟曳、一押しの店。曳舟駅から四ツ木方向へ曳舟川通りを10分くらい歩き、灯りもまばらになった頃、左手にこの店が現れる。曇りガラスの引き戸の向こうにはカウンターに座っている賑やかしいお客の影が動く。引き戸の手前には「大家岩金酒坊」の暖簾が掛かる。造作のない構えだが、良い酒場のオーラが立ち上がる。それは、魅力的な酒場の予感だ。この演出が意図的なものなら見事だ。店に入ると、近所の常連が賑やかに酒と会話を楽しんでいる。自然体の素晴らしい酒場だった。

酒は、ハイボ-ル300円、ビ-ル大瓶530円、日本酒350円など。ハイボールは炭酸の瓶がついていて、自分で調整できて嬉しい。食事は、目刺し丸干し300円、アナゴ煮400円、なすみそ400円、、鯖塩焼き350円、ギンナン焼き350円、湯豆腐鍋600円など。日祝日定休。

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body> このごろ酒場や居酒屋の本が充実してきました。私は太田和彦氏、吉田類氏、大川渉氏の本を愛読しています。中でも大川渉氏らの著した「下町酒場巡礼」は名著。紹介されている酒場の幾つかはこの10年間に姿を消しました。 https://www.fis.jfma.or.jp/fis/front/htm/research/scm10/image/scm10_2003wwp_dallas_illust.pdf