酒場遺産
ディープジャパン。今や都市開発の中で消えようとしている古くから続く酒場。日本の生活文化が凝縮されている酒場を「酒場遺産」と名づけた。これから十年後、ここで紹介する酒場のうちいくつが残っているだろうか。
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ことぶき(鐘ヶ淵西町買い物商店街)
ディープ度***、食と酒***
東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅から、西町買い物商店街を東向島(旧玉ノ井)へ向かって歩き約500メートル、道が二筋に別れるすぐ右手に「ことぶき」の白く光る看板が目立つ。韮玉、ピータン、メンマ、サラミ、煮豆腐など、200~400円くらいのメニューが並ぶ。ホルモン焼き、牛すじがこの店の自慢だという。03-3610-2202。墨田区墨田3丁目15-12。
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くら島(新橋三丁目の古酒場)
ディープ度****、食と酒***
新橋には意外に古い酒場が少ないが、烏森神社付近、新橋3丁目付近にはディープで魅力的な店が繁華街の中に何件か残っている。「くら島」はそうした店のひとつ。戦後始まった鳥森神社参道のバラック街から、現在の場所へ店を移したという。モツ焼きはタレがお薦め。特にシロは自慢の一品という。秘伝のタレは、創業時から受け継がれたもの。微妙な味付けの烏賊焼きが旨い。その他、もつ煮込み、銀杏串焼き、山芋千切り、小松菜胡麻和え、エイヒレ、うずら卵など。日本酒(熱燗)、純米酒など。休みは土日曜祝日。18時~22時。港区新橋 3-10-4、03-3433-6595。

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十一屋(墨田三丁目の古酒場)
ディープ度***、食と酒****
鐘ヶ淵から東向島方向へ商店街を五分ほど歩くと、右手に「十一屋」の看板が見える。古いが掃除のよく行き届いた酒場だ。食事はどれも旨いが、「煮こごり」はちょうど良い柔らかさで口の中でシュルリと溶ける。ビンビ-ル大530円、酎ハイ250円、レモンハイ250円、生グレ-プハイ350円、ウイハイ330円、酒290円。水曜定休。営業は17時~24時。東武鐘ヶ淵5分、東京都墨田区墨田3-23-17。

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栄や(鐘ヶ淵のディープな名店)
ディープ度*****、食と酒****
鐘ヶ淵。駅から歩いて約3分。「モツ焼き」「煮込み」という油紙が引き戸に張ってある。中にはいると、建設労働者風のお客がワイワイと楽しそうに呑んでいた。みな近所に住んでいるという。女将は今年70歳。42歳の時に始めたこの酒場も今年で28年目だという。お世辞にも綺麗とは言えない酒場だが、焼き鳥、モツ焼きを食し驚いた。特に焼き鳥、皮焼きは、恐らく都内でもベストの味だろう。酒の味が利いているタレ。目刺しも旨い。隠れた名店といって良いかもしれない。常連たちと話をしているうちに仲良くなり、バナナを土産にいただき店を出た。

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はりや(鐘ヶ淵古酒場)
ディープ度****、食と酒***
湾曲した隅田川が400mで荒川に近接する異形の地形。この2つの川に挟まれた墨田5丁目。鐘ヶ淵から堀切への一帯。東武伊勢崎線の鐘ヶ淵で降りる。「酒場はりや」の看板が白く光る。曇りガラスの引き戸を引くと、実にシンプルなつくりで、右手にL字型のカウンター席。左手は小上がりで小さなテーブルが2つ置いてある。昭和6年開業。カウンターの中には、知的な風貌の白髪のマスターが静かに座る。天井は高い。
ビ-ル500円、酎ハイ250円、ウィスキ-ハイ270円、ジンハイ270円。特にジンハイは旨い。キャベツの炒め物330円は、実は焼きそばだ。「煮こごり」は若干堅めだが旨い。「ねぎま煮」も葱とマグロとのあんかけ。日曜定休。開店は5時30分から12時。鐘ヶ淵駅北口から右手に曲がり歩いて2分。

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銚子屋(小岩住宅街 無名の名店)
ディープ度***、食と酒****
JR新小岩駅と京成小岩駅のちょうど中間の住宅街。住宅ばかりの場所に、赤提灯がポツンと光る。店は小さく客もあまり来ないようだ。銚子出身の老夫婦がやっている店で既に50年近いという。
私たちの他は、初めは2時間、誰も入ってこず、最後に二人の女性が入ってきたのみ。しかし、丁寧に料理された独創的な料理だった。「銚子の海草」は海草を刻み観点で固めたもの。「天麩羅盛り合わせ」はワカサギ、海老、穴子など様々な小魚を揚げたもの。その他、「カレイの煮付け」、「牡蠣のから揚げ」、「富貴豆」、「焼きそば」。どれも絶品だった。どれも400円から600円と安い。飲み物もホッピー330円、チューハイ250円と安い。古い8トラックのカセットで昔の流行歌を掛ける。タイムスリップしたような想いになる。この店では時間が止まっている。この老夫婦もそうだろう。
年中無休で、朝7時から夜の10時まで営業している。「最近はほとんど若い人は来ない。朝から失業した人が来るくらいかな。」と全く欲がない様子。コストを切りつめて細々と長く店をやっている。店の中には年代物デコラ張りのテ-ブル、8トラのカラオケセット。チューハイは、親爺がバーテンダーのように中ジョッキ-に炭酸をまるごと一本ドバドバといれ、自家調合の焼酎を注ぎ込む。分量は量ったようにぴったりとジョッキ一杯になった。

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遠州屋(小石川の絶品肉じゃが)
ディープ度**、食と酒****
旧小石川区の初音町・柳町・八千代町あたりは、昔ながらの街並みが残る。近くには小石川植物園がある。都心に奇跡的に残された原生林のような園内には、美しい近代建築が建つ。文京区らしいこの地区に「遠州屋」はある。散歩のついでにぶらり寄ったが、肉じゃがをつまみにしてチューハイを飲む。実に幸福な休日の昼下がりだった。名物は、焼き鳥、豆腐入りのもつ煮、谷中しょうがなど。価格はあくまでリーズナブル。東京都文京区小石川1丁目9-6。

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かく山 (八丁堀の隠れ家)
ディープ度****、食と酒*****
隠れた名店である。この店の持つオーラ、と料理の旨さは特筆すべきだ。八丁堀のオフィスが並ぶ通りから一本脇道の逸れた路地に面しているので、初めて訪れる人にはわかりにくい。根強いファンが多いらしく、近所の大会社の社長も時々きているらしい。
1年前に友人に紹介されて「かく山」を訪れてから、度々この店に通っている。1階はカウンターと4人掛けのテーブルで10人も入れば一杯になってしまう。カウンターの中には、3姉妹が忙しく働く。2階は住宅の部屋のような座敷で、子供の描いた絵などが掛けてある至って気楽な畳敷きの和室。4人以上で来るならば、この2階の部屋で、ゆっくりと過ごすのがお薦めだ。酒はビール、日本酒、焼酎(芋と麦)とも品数は少ないが、無難なものを置いてある。料理は素晴らしい。海鮮類は新鮮で、カットが大きい。やわらかさつま揚げはオリジナルな一品。焼きそばも独自の味付けが絶妙。メニューには値段が記されていないが、心配は無用。かなり食べて呑んでもひとり5000円を超えることはない。混雑する店ではないが、席が少ないので予約したほう方がよい。03-3551-8398。八丁堀2-18あたり。
関連情報 http://quittan.hp.infoseek.co.jp/yoi/maru/maru.html


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上の鳥のいわさき(上野の創業57年酒場)
ディープ度**、食と酒**
上野南口の丸井裏のネオンと喧噪に満ちた通り。釜山の市場を思わせるようなアジアの空気が流れている。上野周辺は意外に古い酒場は少ないが、「上の鳥のいわさき」は創業1949年の老舗だ。店内は古い酒場の雰囲気はなく、若者で溢れる良心的で気軽な居酒屋といった感じだ。創業以来の変わらない特製つくねが自慢だという。モットーは、冷凍素材には頼らない、テーブルチャージはとらない、無駄なところにはお金は使わない、という3ナイを守っているという。年中無休。東京都台東区上野6-13-7。03-3831-3401。

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とん平 (本所吾妻橋のもつ焼き)
ディープ度**、食と酒***
浅草からアサヒビールのきんとん運を見上げ吾妻橋を渡り、清澄通りを本所吾妻橋付近まで歩き、通りから一本南へ入った住宅街の一角に、もつやき「とん平」がある。小さな提灯がたくさんぶら下がったバラック風の平屋だ。中にはいると、左手の畳敷きの座敷に座卓が並び、近所の親爺たちや家族連れやが賑やかにモツ焼きを食べ、ホッピーを呑んでいた。このいい気の集会所といった雰囲気だ。焼き物はどれも旨い。手羽先の唐揚げもかなり旨い。偶然、隣合わせた新富町で鰻卵焼きを売っているという初老の男と話が盛り上がり、鰻卵焼きの「お土産」までいただいた。こんな親しく暖かな空気がこの店には満ちている。焼き物(とり、はつ、シイタケ、レバーなど)2本で260円。手羽先唐揚げ520円。豚足550円。酒はビール570円、ホッピー・黒ホッピーとも400円、酎ハイ類380円。墨田区東駒形3丁目。
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ミツワ(立石 海鮮と焼きトン)
ディープ度***、食と酒*****
立石では「宇ち多」とならび、あるいはそれ以上に素晴らしい酒場だ。酒場遺産「立石仲見世商店街」の本通りから一本裏に入ったアーケードの一角に「ミツワ」はある。4時半開店から、すぐ客で一杯になる。店の外の簡易設置のテーブルも人出一杯だ。人気の店だ。約15分待って、一番奥の畳敷きの手前にあるテーブルに相席で通された。近所で会社を経営しているという老夫婦と話が弾んだ。
瓶ビ-ル大500円、酎ハイ300円、ウィスキ-ハイ300円、日本酒300円。モツ焼きはシロ・タン・ナンコツ・レバー・カシラ・アブラが2本セットで170円。煮込250円、酢の物250円、そしてお薦めなのが、刺身盛り合わせ500円。日替わりと言うが、この日に出されたハマチの刺身は絶品だった。天然のものだという。03-3697-7276。
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江戸っ子(立石 夕刻から煙立つ焼きトン酒場)
ディープ度**、食と酒***
京成立石駅から歩いて約5分。呑んべえ横町を通し越すと、夕方早くから「江戸っ子」は地元の客であふれている。4時半開店。それまで不機嫌そうに店の支度をしていた主人。50人位は入りそうな大きな店内は既に焼きトンの煙が立ちこめている。飲み物は、この店特製のハイボール300円。客は「ボ-ル」とオーダーする。元気な下町酒場だ。焼きトンは大きなサイズで、塩、タレ、ニンニク辛タレ、味噌と4種類のタレから選べ、値段は4本で270円と、安い。煮込みは信州白味噌で、豆腐入りは特に旨い。閉店9時。
メニューはビンビ-ル大550円、特大生ビ-ル700円、生中600円、酒合300円 酎ハイ300円 ウイハイ320円 デンキブラン320円、焼きトン4本280円。ホルモン刺し、ガツ.シロ、タン、コブクロ、レバ-など280円。つまみは、蕨、マメもやし、おしんこなど各170円。

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大黒屋(押上 ホッピーには氷を入れない)
ディープ度***、食と酒*****
押上から錦糸町方面に5分ほど南へ歩くと、住宅街を通る「業四市場商栄街」の立つ一角に大黒屋がある。実に良い感じで街の区画に填っている。訪れたのは7月最後の日、珍しく夜は涼やかな風が吹いていた。大きな暖簾を下げた角地に立つ大黒屋は引き戸が開け放なたれ、その佇まいが実に美しい。店内は伝統的なコの字型カウンター。奥に厨房があり、親父さんと奥さんが忙しく働いている。親父さんは大黒屋の2代目。店には先代のモノクロの写真が飾ってある。本所の大黒屋創業から58年、この場所に店を開いてから38年。父親のやっていた店をサラリーマンをやめて継いだのだという。
生ホッピ-390円、白・黒・ハーフの生ホッピーである。ジョッキは霜がつくほど冷やしてあり、そこに冷たい生ホッピーを注ぐ。目から鱗のホッピーの旨さだ。氷を入れるのは邪道だという親父さんはホッピー屋とのつきあいが一番長いのは俺だという。だがこれは先代の発明。自分が発明したのはレモンハイ。瓶詰めのレモンサワーではなく生レモンを搾りソーダで割ったレモンハイは親父さん自身の発明という。確かに旨い。お通し100円、昆布の煮物。 もつ焼き5本で450円。これはふつう程度。煮込み420円、これは旨い。大きめのサイズの臓物はよく煮込まれており絶品といって良いだろう。お新香はキュウリの浅漬けで、かなり気を遣って仕込んでいるのがわかる。そして最高なのはレバ刺し450円だ。脂ののったレバーは実に新鮮で旨く、親父は生姜の他に、生大蒜を添えてくれた。雰囲気、接客、料理、そしてオリジナルの生ホッピー。最高の酒場だった。
土曜日定休。営業時間5時から9時まで、ラストオーダーは9時半。その理由を親父に訊ねたら、9時までに来たお客さんには、9時半までオーダーできて当たり前だろう、という真っ当な答が返ってきた。考えてみれば全くその通りだ。筋が通っているのだ。

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大林 (日本堤燻銀酒場)
ディープ度*****、食と酒**
7月下旬、隅田川花火大会の人の群から抜け、隅田川沿いから南千住へ吉野通り沿いを歩いた。日本堤1丁目。すぐ裏は山谷。ディープ東京のど真ん中だ。時折、フラフラと廃人のように通りの歩く高齢の労務者を見かける。あんな様子では力仕事もできそうにない。
吉野通りに面して、「大林」の堂々たる暖簾が目に入る。築60年という燻銀の酒場。暖簾をくぐると右手に使い込まれた無垢板のカウンター、左手にはテーブル席がある。格子の天井は高く、床は土間。きわめて質素で骨太のつくりだ。突き当たりには神棚がある。カウンターの正面の壁は、白紙にかかれた無数のメニューで埋め尽くしている。これが実に美しい。カウンター席に座ると、主人が無愛想に注文を訊いてくる。牛もつ煮込み400円、淡い色のアッサリした味付け。葱ぬた300円、鮪も入っていて旨い。モロキュウ250円、細く切り方が特徴的。そのほか、刺身、かつ煮、豚肉生姜焼きなど。酒は日本酒より焼酎が無難か。

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伊勢籐(神楽坂 美意識の和空間)
ディープ度*****、食と酒*****
伊勢籐は神楽坂を飯田橋から上がり、坂が終わり掛けたあたりを右手の石畳の路地を入った右手に、ひっそりと在る。低い軒が印象的な民家風の和建築だ。内部の空間の美しさは比類ない。暖簾をくぐると土間にL字型の木製のカウンターがあり、ひとりの客はここで店主と言葉を交わしながら酒を呑む。右手と左手に6畳から8畳程度の座敷があり、右手の部屋は坪庭と一体化している。
床に飾られた掛け軸。一輪の花。夏でも冷房はないが、坪庭からの冷気が軽く吹き抜ける。東京でもっとも美しい酒場のひとつだろう。

お通し(ホヤ塩辛・貝の粕漬けなど3品)豆腐と青菜の味噌汁がまず出される。酒は燗酒と常温。美しい形の徳利とお猪口で出される「白鷹」は、呑み口が良い。ビールはない。その他、明太子、イナゴ、烏賊の黒作、くさや、皮剥、エイのひれ、たたみいわし、丸干、みそ田楽、納豆、豆腐。選び抜かれ絞り込まれたメニューだ。新宿区神楽坂4-2。17時から21時半営業。土日祝休。

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三祐酒場(舟曳元祖酎ハイ酒場)
ディープ度**、食と酒***
舟曳川通りから京成線の踏切をわたると、昔懐かしい町並みが広がる。「キムラヤ」の看板。小さな和菓子店。入母屋の立派な構えの銭湯「曳舟湯」もすぐ近くだ。この店は小綺麗でオヤジ酒場といった感じではない。年輩の女性3人が手際よく料理をつくる。店は新しいが、創業75年の老舗だ。元祖酎ハイの店でもある。この元祖酎ハイは「姉妹品」という柑橘系の入った酸味の強い酎ハイとともに、メニューの中でも特別扱いだ。味はアッサリとして呑みやすい。この日、生昆布煮付け350円、海苔の三杯酢300円、馬刺550円を頼むが、どれも品よく、旨かった。

酒は、前述の元祖酎ハイ300円、その姉妹品350円。生ビ-ル中480円、瓶ビ-ル大500円、真澄550円、栄川500円など。食事は、馬刺550円、貝柱刺身400円、赤イカ刺身550円、アサリバタ-550円、鱈白子450円、おしんこ250円、煮込み380円、枝豆500円、鰺酢400円、生姜350円、ジャガバタ-350円、串カツ450円、手羽唐揚げ400円、さんま塩焼き450円、馬刺550円、貝柱刺身400円 赤イカ刺身550円 アサリバタ-550円 鱈白子450円など。お通し50円。日祝日、第3土曜定休。17時~23時営業。

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赤坂酒場(舟曳駅前やきとん酒場)
ディープ度***、食と酒***
舟曳は、浅草から来る東武伊勢崎線と東武亀戸線がぶつかり、半蔵門線が乗り入れ大手町まで15分程度、近くには形成押上線も走り交通至便な場所にあるが、下町の風情を残す不思議な町である。駅付近は計画性なく開発されたビルの隙間に駅舎や自転車置き場、パチンコ屋などが無秩序に詰め込まれ、また鉄道の高架がクロスする不快な空間だ。交通の便の良さに目を付けたのか、駅前ではこの町に似つかわしくない巨大なタワーマンションが計画中である。そんなマシンエイジの名残のようなジャイガンティックな構築物の隙間に、優しい下町の生活が息づいている。何台も続いたような和菓子屋、魅力的な酒場、格式ある銭湯も多く見られる。

赤坂酒場は、舟曳駅のほど近い舟曳川通りに面して立つ。「赤坂酒場」という堂々とした看板。左手はテーブル席、右手はしっかりとした使い込んだ木製のカウンター。訪れたときには、若い定員がてきぱきと注文をこなしていた。この日、友人とふたりで軽くやきとん、煮こごり、豆腐入り煮込みを食した。それも意外とアッサリ系だが、ミノは形も味も良く旨かった。赤坂地ビールは特にこの店とは関係ないと言うが、しっかりとした味でなかなか良い。カウンターの上には、池波正太郎の小説の一節、福沢諭吉を題材にした小説などが飾られている。

酒は、ビ-ル大500円、赤坂地ビ-ル550円、酎ハイ300円、八重寿秋田(正一合)300円、菊姫にごり550円、伊佐美600円、魔王600円。食事は、牛ハツ刺し350円、牛レバ刺し350円、ハチノス刺し500円、牛カルビ大串390円、牛タン塩290円、牛ハラミ大串250円、やきとん1本100円程度(ミノ、ハツ、カシラなど)、トン足450円、牛ミノ炒め450円、牛ハツ長ネギ炒め500円、水ギョウザ280円、豆腐入り煮込み350円、おしんこ350円、塩ラッキョ280円など。(消費税別)日祝日定休。17時~23時営業。

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岩金酒場(東向島二丁目 曇硝子のオーラ)
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舟曳、一押しの店。曳舟駅から四ツ木方向へ曳舟川通りを10分くらい歩き、灯りもまばらになった頃、左手にこの店が現れる。曇りガラスの引き戸の向こうにはカウンターに座っている賑やかしいお客の影が動く。引き戸の手前には「大家岩金酒坊」の暖簾が掛かる。造作のない構えだが、良い酒場のオーラが立ち上がる。それは、魅力的な酒場の予感だ。この演出が意図的なものなら見事だ。店に入ると、近所の常連が賑やかに酒と会話を楽しんでいる。自然体の素晴らしい酒場だった。

酒は、ハイボ-ル300円、ビ-ル大瓶530円、日本酒350円など。ハイボールは炭酸の瓶がついていて、自分で調整できて嬉しい。食事は、目刺し丸干し300円、アナゴ煮400円、なすみそ400円、、鯖塩焼き350円、ギンナン焼き350円、湯豆腐鍋600円など。日祝日定休。

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田むら (靖国通り江戸情緒粋酒場)
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靖国神社脇の靖国通りから細い横道を入ると、ビルの間に江戸情緒を残す「田むら」がある。街路樹の美しい都会的な靖国通りからたった20メートル入っただけで、エアポケットのような空間がある。二階の座敷は女郎屋のような雰囲気。着物の女性が迎えてくれる。

おまかせ六本串1,200円、ねぎま220円、白レバー 200円、砂肝180円、つくね250円 、ささみ220円、手羽先220円、皮200円、なんこつ200円 、ぼんじり250円、合鴨 400円、つくね青じそ巻300円、アスパラ肉巻300円、しいたけ250円。お造り盛合わせ 1,800円、まぐろ刺し 900円 、牛たたき900円、とりわさ600円、鶏皮ポン酢500円 、青菜のおひたし450円。酒は江戸地酒「澤乃井」。燗酒二合1,200円、大辛口 二合 1,400円、一合 800円。純米生酒四合瓶 2,300円、大吟醸四合瓶4,000円。東京都千代田区九段南3-7-1、03-3261-9546。

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田中屋(荻窪北口 昔酒場でくつろぐ)
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酒場好きにとってはこの上なく魅力的な荻窪北口バラック街。烏賊料理の「やき屋」、焼き鳥の「かっぱ」、駅前で昼から濛々と煙を立てる「鳥もと」。このエリアの一番阿佐ヶ谷寄りの名店「田中屋」を知る人は少ない。白いペンキ塗りファサード、白い暖簾。引き戸を開けると右手に分厚いカウンターがあり、常連客が3-4人くつろいでいる。女将にいつから店をやっているか訊くが、50年くらいかねえ、と言う。瓶ビール520円。この値段から料理の値段もわかるだろう。どれも家庭料理のような暖かみがある。ふと見ると、天井から蠅取り紙がぶら下がっていた。懐かしい空気の名店だ。

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たぬき (浅草元祖牛筋煮込酒場)
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浅草ロック近くの通称「煮込通り」。休日ともなれば店から溢れ出た客が、店それぞれの嗜好を凝らした煮込を肴に、路上のテーブルで旨そうにホッピーやビールを飲む。ここは台北かバンコクか。東京がアジアだったことを思い出させる。
今日は煮込通りの北側に位置する、元祖牛煮込・牛飯「たぬき」を訪れた。中央の大きな厨房の周りをぐるりとカウンター席が囲む。30人くらいは座れるだろうか。季節の良いときは引き戸を開け放し気持ちよい。開放的な空間が魅力的だ。牛筋煮込みは道路に面した大きな釜でグツグツと煮込まれている。汁の少ない蒟蒻と牛筋の堅さが丁度良い歯ごたえだ。飲み物は生ビール大740円・中580円、ホッピー480円、ジンジャサワー420円、ウーロンハイ420円など。牛筋煮込み480円、銀杏、軟骨、筍、お浸しなどは420円。休日の日の高いうちからカウンター席に座りたい。楽しさ満載だ。近所には浅草観音温泉や蛇骨湯といった関東ローム層独特の黒湯の温泉もある。煮込みを食し温泉に立ち寄るのも楽しい休日の過ごし方だ。
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圓楽 (北千住風俗地帯裏道)
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北千住西口。線路沿いを南へと歩くと、居酒屋と風俗店が一帯となった一帯がある。すぐ目に付くのが「永見」「大七」。その通りをどんどん奥に歩くと、道の両側にギッシリと立ち並ぶ風俗店からの呼込みが掛かる。右手に美術展のポスターがコレデモカと貼られた「鴎外・芭蕉」と書かれたバーがある。「小料理屋」とか枯れているがそうは見えない。その角を曲がり、20mほど歩きまた小道を左手に折れるとラブホテルがあり、その対面に「圓楽」はある。
藍の暖簾と縦格子の渋い店構えに比べ、内部は至って気楽で明るい雰囲気だ。ディープな立地だがノーマルな店だ。「圓楽」という名前は、特に三遊亭圓楽師匠と関係あるわけでもなく、店主が圓楽の熱狂的ファンだったらしい。料理は旨い。ブリ照り焼き500円、鮪ぶる500円、カサゴ刺し700円、鰹刺し550円、酒盗300円、塩辣韮280円、烏賊の沖漬け500円など。麦酒がスーパードライだけなのが残念。
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色香美味 (三ノ輪1丁目酒場)
ディープ度***、食と酒***
三ノ輪1丁目。昭和通と国際通りがぶつかる交差点から、東へ入ったところに、低い軒に藍色の暖簾が掛かる。その風情が良い。店の上部に無粋な「色香美味」の看板が光るのが残念だが・・。暖簾をくぐると右手にカウンター、奥にテーブル席がある。カウンターにはこの店の主人が立つ。この主人、昭和28年に三ノ輪で「坂本タクシー」という会社を興し5年間事業を行ったが、その後、三ノ輪1丁目交差点の角地(三ノ輪1-1-1)に「坂本バー」を開いた。その後まもなく現在の場所に移り居酒屋をはじめたのが35年前と言う。
これといって特徴のない店だが、カウンターに座り、目の前の手づくりの惣菜をつまみにして焼酎を飲んでいると居心地がよい。柳葉魚315円、以下丸焼き504円など、消費税込みという「キリの悪い」値札が並んでいるのが印象的。三ノ輪の名店「亀島」からもほど近い。03-3875-1298、東京都台東区三ノ輪1-21-8
色香美味(しきこうみみ)とは法華経の一節。「此大良薬。色香美味。皆悉具足。汝等可服。速除苦悩。無復衆患。其諸子中。不失心者。見此良薬。色香倶好。即便服之。病尽除愈。(この良薬は色も香りも味わいもよい薬で、飲むと速やかに苦しみから解放される。全ての人々の病を取り除く)」
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なだ一 (渋谷のんべえ横町絶品酒場)
★ディープ度***、食と酒****
渋谷駅近く、原宿方向へ向かう山手線沿いに、若者の街に全く似つかわしくない軒の低いバラック「のんべえ横町」がある。友人と6時まで渋谷の町で時間をつぶした後、未だ明るいうちから横町の中筋に「なだ一」はある。昭和25年、渋谷に仮設の屋台がたくさん出来、昭和27年にはGHQから、現在のこの場所に移るように言われたのが「のんべえ横町」の始まりだという。山手線の土手側に1列、中筋に2列の店が並び、その裏側には、以前は渋谷川が流れていたと言うが、現在は暗渠になって水面は見えなくなっている。
入口の格子戸は170センチほどの高さで屈んで店にはいる。カウンターは極く小さく、10人も入れば一杯となる。山形の天井も低く、不思議と居心地の良い空間である。この店に限らす、のんべえ横町の一角はスケールが、一般の建物の八掛けくらいでできているのだ。カウンター内では3代目の娘さんが忙しく立ち働く。
おでんは薄味で、どれも旨い。蛸の卵の塩辛(600円)、ホヤの塩辛(600円)、おくら(400円)、菜の花(400円)、やまうど金平(400円)、山菜天ぷら盛り合わせ(1000円)、クラゲ刺身(700円)、縞鰺刺身(1300円)鮭はらす(600円)。それも絶品と言って良い。酒は焼酎が揃えてある。
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やき屋 (中野南口立呑み屋)
★ディープ度**、食と酒**
中野駅南口から中野郵便局へ続く道を下ると、左手に中野郵便局とラブホテルに挟まれて赤提灯が幾つか並ぶ。店は平面は「くの字型」の変形プランである。小さなキッチンと窓沿いにカウンターがぐるりと回る。店はキッチンを含めて10畳ぐらいだろうか。その小さな空間に、客が20人くらい犇めく。客層も様々。偶然隣りで呑む客と話も弾んだ。
この店は荻窪北口バラック街の烏賊の銘店「やき屋」と兄弟店である。荻窪「やき屋」の女将さんとこの店の店主は夫婦なのだ。店主は愛想良く客に話しかける。荻窪の店と酒は「北の誉」で共通。塩辛も同じ味で薄塩の絶品だった。それから手羽先焼き(180円)がこの店の自慢だ。それ以外はこれといって特徴もないが、気楽で楽しい立ち飲み屋だった。
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あぶくま(東十条 会津の料理と酒)
★ディープ度**、食と酒****
東十条駅は南北ホームが長い。駅の東側は沖積平野のフラットな下町の商店街。京浜東北線の駅を堺に西側が洪積台地の高台となっており、十条に続く起伏のある地形だ。東十条駅北口から細い歩道を上ると都道460号線にぶつかる。右方向に歩き約50m、右側に「あぶくま」の看板が見える。夫婦の経営しているカウンター8席、奥の座敷は2-3人がやっと座れる小さな店だ。福島県会津出身で27年前にこの店を始めたという。酒は二本松の栄川。料理は手作りでどれも旨い。炉端とあるが、惣菜類は特に旨い。サンマ塩焼き500円、ハマチ照り焼き650円、ナメコおろし300円、筋子磯巻き500円など。



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遠太 (三ノ輪時代懐古酒場)
★ディープ度*****、食と酒****(酒は*)
三ノ輪の昭和通と国際通りがぶつかるあたりから正庭通りへ曲がり少し歩くと、台東区から荒川区東日暮里へと入る。5分ほど歩くと左手に、「やってるぞ 遠太」という看板が目立つ。友人とこの酒場を訪れたのは年度末3月31日。正庭通りは両側の歩道に植えられ桜が満開だった。遠太は「レトロ」と言って良いほど昔の雰囲気をそのまま残した酒場だが、ここには、売らんがための商売気やツクリモノのレトロは何もない。敷地が台形なのか、店とカウンターも台形。店の空間は、天井が高く、右手に小庇についたカウンター、左手には座敷。客はまばら。店はおばあちゃんとその30歳代くらいの女性はその娘だろう。そして小学生くらいの女の子が、遊びながら店の手伝いをしている。客の疎らな店内にはテレビが流れ、非日常的と言っても良いこの酒場空間で、実に日常的な光景が繰り広げられる。
日本酒は残念ながら三増酒。しかし料理は独創的で逸品ぞろい。お勧めは、あじなめろう350円、ニコゴリ350円。ニコゴリは半透明のゲルの中に具が入っている様が美しい。焼き茄子250円、葱トロ450円、厚揚げ250円、焼き明太350円、湯豆腐330円、めごちの天ぷら450円など。居心地の良いカウンターだった。
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亀島 (三ノ輪一丁目泡盛小酒場)
★ディープ度*****、食と酒****
地下鉄日比谷線三ノ輪駅のから明治通沿いに浅草方面に五分ほど歩くと、右手に「清酒大関 亀島」と書かれた看板が控えめに立つ。三ノ輪一丁目二四。紺色の暖簾をくぐり年季の入った硝子戸を開けると、台形のコの字型カウンターと、座布団が縫いつけられた座り心地の良さそうな椅子がカウンターの周りに並ぶ。道が交差した台形の敷地と建物に合わせたカウンターが、酒場の小宇宙を創っている。正面には琉球泡盛の由来と書かれた古い説明書が掛けられている。この店をひとりで切り盛りしている店主の老婆と店の空間がひとつの無駄もなく一体化している。小さくとも品格のある酒場だ。ちなみに女子禁制である。
酒は泡盛40度370円、25度320円。大関・菊正宗共に正一合350円。麦酒大瓶480円、小瓶350円、黒麦酒350円。酎ハイ300円、黒糖焼酎270円。久米仙は逸品。二つ並んだ煤けた甕から柄杓で沖縄徳利に移し、分厚い小さなグラスに注ぐ。泡盛は飲み過ぎると「腰が抜ける」と、ひとり三杯まで。つまみは店主の手料理で、里芋の煮付け、湯豆腐など。どれも旨く、また安い。懐かしい黄金色のアルマイト製の道具が使かわれていた。
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江戸っ子(聖橋袂おでん屋台)
★ディープ度**、食と酒**
お茶の水駅近く聖橋の脇に「江戸っ子」という赤提灯の屋台がある。この付近には、もうひとつ老女の牽く屋台があったが、約半年前から姿が見えない。元々客のつかない不人気の店だったが、老女が体を壊したためらしい。凍える冬も覆いのない小さな屋台でギリギリの様子だったから無理もないだろう。さて「江戸っ子」。以前は聖橋の南側、駅のすぐ脇の端の付け根のアルコーブ(凹)となっている部分に長い間、夜な夜な現れていたのだが、最近は聖橋北側に移った。店の親爺に理由を聞くと、南側は千代田区、北側は文京区。千代田区所管の警察官が年度末の手入れで屋台を追い出し、文京区側に来たという。不思議なことに文京区側に来てからは、その警察官は来ないという。「文京区の所轄が来たら、また端の南に行くさ」と笑う。端の北側では千代田線とJR間の乗換客を掴まえられず客数は半減したという。今は常連だけらしい。「江戸っ子」は親爺個人の物ではない。浅草の居酒屋「江戸っ子」のお茶の水支店なのだそうだ。店主も今の親爺の前はもっと若い人だったから、社内の人事異動なのだろう。
寒い時期には、店をビニルで囲うが、公共の鉄製の大きなベンチを上手く利用している。美しく堅固な石造りの凹空間に上手く納まっている屋台の様子がいい。病院やオフィスの並ぶ硬質なこの通りの風景の中で、赤提灯の灯りと街灯の光を反射する柔らかなビニルが美しい。
メニューはおでんのほとんどは150円、250円。牛筋などは400円。飲み物は350mmの缶麦酒(スーパードライ)、日本酒(剣菱)、酎ハイが500円。おでんは薄い味付けで特に上手くも不味くもない。味よりも空気を楽しみたい。先日、立ち寄ったときは、店のテレビで「シャル・ウイ・ダンス」がはじまり、常連客たちとおでんをつつきながら、11時半まで2時間半、最後まで見てしまった。主人は商売気もなく一緒にテレビを見ている。これではさぞかし儲からないだろうなと思った。
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弁慶 (三ノ輪 ビル狭間の下町酒場)
★ディープ度**、食と酒***
昔ながらのアーケードが印象的な三ノ輪商店街近く、裏道からビルの狭間を入っていくと、早い時間から「酒処一寸一ぱい」という赤提灯が見える。安普請の居酒屋だが、中は大きなコの字型カウンターは、既に地元に常連客で一杯だった。休日の夕方、威勢の良い会話が飛ぶ。中央の鍋には濃茶色の煮込み汁に4種の串刺しモツが投げ込まれている。一串たったの40円。4-5串も頼めば、結構なつまみになる。メニューは200-500円くらいでボリュームがある。春キャベツの浅漬け200円、鮮度の高いキャベツが旨い。厚揚げ卵350円、坊主狩りの若い店主が葱を刻み卵をフライパンで揚げる。厚揚げというよりオムレツ風。ナポリタン350円、つまみとしてはどうかと思うが結構、客には人気がある。筍の煮物350円、少し甘めの味付けの筍は懐かしい味。ポテトサラダ300円、手づくりの素朴な味付だった。熱燗一合350円、麦酒大瓶500円、酎ハイ250円など。設えは飾り気もなく、店の歴史を感じさせるわけでもない。下町の今の時間を生きるリアルな場所だ。心暖まる時間だった。
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body> このごろ酒場や居酒屋の本が充実してきました。私は太田和彦氏、吉田類氏、大川渉氏の本を愛読しています。中でも大川渉氏らの著した「下町酒場巡礼」は名著。紹介されている酒場の幾つかはこの10年間に姿を消しました。 https://www.fis.jfma.or.jp/fis/front/htm/research/scm10/image/scm10_2003wwp_dallas_illust.pdf